ほら、やってきたよ

news.tv-asahi.co.jp

ちょっと前に書いたばかりの大企業崩壊が意外と早くやってきそうですね。

yoshihiro0709.hatenablog.jp

もうずいぶんと前から終身雇用なんてものは終わっているとは言われていました。ここに来てようやく本格的に動き出した(?)というところでしょうか。

だがしかし!

この話にはとても問題があります。というのも、終身雇用というのは終身雇用だけではなく常に2つのオプションが付いていたからです。オプションと言っても、その重要度はそれなりに高いものです。

・若い頃はいくら能力があっても低賃金で働き、かつ役職に就くことはできない。年齢と共に徐々に給料は増えていき、それに見合った役職も用意する。

・勤め上げた時(要は定年退職)に退職金としてそこそこの報酬を与える。それはつまり会社に忠誠を誓うことに対する報酬でもある。

どういうことかというと、終身雇用であることを前提条件に若い人を不当に安く働かせ、40年間我慢したらそのご褒美としていくらかの報酬(退職金)を与えるというものです。これらはいずれも終身雇用という前提がなくなると成立しなくなります。(なので先程から終身雇用のオプションと言っているわけです)

つまり、終身雇用を止めようと思うと他の2つも止めざるを得ないわけで、同時に3つのことを改革するように求められているのと同義なのですが、日本企業はきっとこれを失敗して悲惨なことになるんじゃないかなというのが僕の予想です。

 

ちょっと話は逸れますが、Aという会社とBという会社が合併しました。Aという会社の製品はBの工場で作ることはできず、Bという会社の製品もAの工場で作ることはできません。でも、合併してシナジー効果を出すためにはどちらの工場でも作れる必要があります。さて、あなたならどうしますか?

ここでAとBの製品の両方が作れる工場Xを建設します、と答えたあなたは残念ながら不合格です。おそらくほぼ100%失敗します。理由は簡単で同時に複数のことを変えようとするとだいたいうまくいきません。もし過去にうまくいったことがあるとしたらそれは偶然です。だいたいにおいてそのXという工場は誰がハンドリングするんですか?Aの工場もBの工場もまだ残っているんですよ?

こういう場合は順番に少しずつ統一していくのが大前提です。そして万が一失敗した時のバックアップも同時に考えておかないといけません。なので、この場合はAとBでどちらが売上インパクトが大きいかを考え、小さい方の工場を大きい方の方式に統一します。例えばAの工場のほうが大きいなら全部Aの方式に合わせるのです。それができて初めて、新しい工場なり両社の製品が効率的に作れるシステムを開発します。その時、B社の工場をハンドリングしていた人たちは空いていることになるので彼らが新しい生産システムを(既存のものがある程度分かりつつ)ハンドリングできます。

 

かなり長く話が逸れてしまいましたが・・・つまり終身雇用と若い人の低賃金と会社の忠誠に対する報酬を全部一度になくしてしまうときっと日本の企業はカオスになってしまうと思うんですよね。逆に言うと、だから「終身雇用はもう限界なんだよ」と分かっていてもなかなかメスを入れることができなかったわけでもあるんですよね。

 

じゃあ一つずつ変えていけばいいのかと言うと・・・。

・終身雇用を止めた → 定年間近の能力が衰えた人たちが次々に切られていく → カオス

・若い人の低賃金を止めた → 低賃金で我慢してきた中年層の反乱が起きる → カオス

・退職金を止めた → 定年間近で退職金をアテにしていた人の暴動が起きる → カオス

と、何をやってもダメな状況にすでに陥ってしまっているわけです。小泉首相じゃないですけど、誰かが痛みを引き受けないとこの問題は解決しないんですよね。まあ、その痛みを一番受けることになりそうなのはきっと氷河期世代なんでしょうけど。

 

僕はいっそのこと、このまま終身雇用をなんとか維持する方法を探していくほうがいいんじゃないかとさえ思うわけですがね。でも、なんだかんだで終身雇用ってアメリカからも注目されていたんですよ。

40代前後の方々はこれから大波乱が起きると思って覚悟しておくのがいいと思います・・・あ、俺か!w